FF14の二次創作です。
2018年のFF14 14時間放送ネタが一部含まれています。
※記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
--- 紅蓮祭2018 (2/2)
~アルフィノ連行後~
アルフィノ連行を呆然と見ていたリセとアリゼー。
「えーっと……一応ここがゴールになってるけど、酔狂……じゃなくて上級者向けの裏ルートがあるみたいだよ?」
場を取り成すようにリセが言う。
「なんでこの中間地点がゴールなのかと思ってたけど、そのルートを通れば頂上まで行ける、そういうことね?」
「そうそう。しかも現時点でまだ頂点への到達者はいないんだって」
まだ到達者がいない。この言葉がアリゼーを刺激する。
アルフィノとの勝負は不本意な勝利だったのだ。こんなのはプライドが許さない。ならば最初の登頂者となり今年の紅蓮祭の覇者となっておくのも悪くない。
「行くわ」
言うが早いかアリゼーは裏ルートからの登頂を開始する。
お祭りに相応しく裏ルートへの挑戦者も非常に多い。まさしく盛況だ。
しかしその挑戦者の多さにも関わらず、裏ルート最初の中間地点に辿りつくまでに大半が姿を消してしまっている。
裏ルート最初の区画は飛び石階段ジャンプで小ジャンプ、大ジャンプと使い分けながら上へ上へと登っていくことになる。
そこを越えたら最初の中間ポイントとなる区画だ。
今度は上へ下へと足場を飛び移りるのだが、その途中に細い四柱への飛び移りがある。この四柱が曲者だ。四柱に乗り損ねたらそのまま第三の魔城開始地点まで真っ逆さまだ。
アリゼーは慎重に四柱を越え、第二の中間ポイントとなる区画の開始地点で一息つく。
「さすがに少し疲れて来たわね……」
言いながら上を見る。ここまで来ると、先行者の姿は数えるほどしかない。
一方で、アリゼーの後方から誰かが追い付いてくる気配はない。今も後続の一人が四柱を飛び越えてしまい、遥か下まで落ちていくところだった。ここで挑戦を辞めてしまう者も多いのではないだろうか。
「あーぁ。ご愁傷様……」
ついでに先行者の様子を少し観察してみよう。
先行者には健康的に日焼けした水着姿の者、日除けのためかフードをかぶった者、ポーキースーツを着た者、バニー姿のミコッテ(♂)、目を光らせ、笑いながらデシメートジャンプするルガディン戦士がいた。
「何あれ……新しい蛮神?」
次の区画は、足場の間隔も高さもバラバラだ。毎回距離を見余らないようにしつつジャンプしていく必要があり難易度が高い。
先行者も苦戦しているようで、私が何段か登った時点でポーキースーツとバニーミコッテ(だが男だ)が落下していくのが見えた。
最初からではなくこの区画からのやり直しではあるが、落下した二人は落胆した様子で座り込んでしまった。
おそらく何度も挑戦してはそのたびに落下しているのだろう。
アリゼーはそんな二人の様子を眺めつつも次の段差に飛ぶべく顔を上げる、その瞬間。
「ふははははは」
ルガディン戦士が笑いながらアリゼーの目の前を落下していった。
さすがのアリゼーも苦戦しつつ先ほどの区画をどうにか越えることができた。
途中、何かあったような気もするが記憶から抹消した。狂戦士など見ていない。
そう。万事何もなかった。
さて、いよいよ最後の区画となる。ここからはひたすら細い小さな足場をジャンプしていくことになる。精神的なプレッシャーもありその足場は足幅程度しかないようにすら見えてくる。もちろん少しでも距離を誤れば落下は免れない。
滅多なことを言うものではない。それは分かっている。だが考えずにはいられない。
このコースの設計者は根性がひん曲がっているのではないだろうか?
ふと上を見るが先行者の姿は既にない。どうやら皆落下してしまったらしい。
「すぅ……」
アリゼーは一息つくと意識を集中する。先行者がいないなら急ぐ必要はない。自分のペースでゴールすれば私が今年の紅蓮祭の覇者だ。
「よし!」
アリゼーは気合を入れ、細い足場を大胆かつ慎重にジャンプする。
上へ横へ一定のペースで、だ。
というのも足場が細すぎてとてもではないが一か所にずっと立っていられないためだ。自分の位置と次の足場まで距離を目測し、足場の接地面と身体バランスを考慮しどの程度の力でジャンプすべきかを常に計算し続けなければならない。
リズミカルにジャンプ続けるアリゼー。そして、いよいよ最後の足場が見えた。そこから頂上に移ればゴールだ。
「これで……最後!」
アリゼーが勢い込んで最後の足場へジャンプしたその瞬間。
「あっ!」
突風だ。ここは海に面した吹きさらしの高所である。
当然上空では強い風が吹くこともある。
風に煽られ上体がのけ反りバランスを崩す。
ダメだ……立て直せない!落ちる!
「く……負ける……もんですか!」
【迅速魔】!【ヴァルエアロ】!
咄嗟に魔法を発動し、その反動で体制を立て直し頂上部のへりを掴むことで何とかバランスを保つ。
「あ、危なかったわ……」
さすがのアリゼーも冷や汗を流す。
「キャッ!」
「おい!傷だらけのルガディン戦士が落ちてきたぞ!」
「大丈夫か!」
何やら叫び声と衝突音が下から聞こえてきたが……きっと私とは関係ない。
危ういアクシデントで一気に疲れが噴き出したアリゼーはジャンプする気力もなく掴んでいた頂上のへりをよじ登る。
「ついに……やったわ……頂上に……」
アリゼーは膝をついたまま息を整える。反則スレスレかもしれないが間違いなく踏破だ。
そのまま、覇者に許された絶景を堪能すべく顔を上げる。
……誰かいる?逆光で良く見えないが紅蓮祭の係員だろうか?
「おや?」
聞き覚えがある声とともにその人物がアリゼーに近づいてくる。
見覚えのあるフード。見覚えのある本。
「これはアリゼー様」
ウリエンジェだった。
「ウ、ウリエンジェ!?」
「どうしてこんなところに?」
「それはこっちのセリフよ!なんであなたがここに!しかも私より早く!いつこっちに……!」
アリゼーは早口でまくし立てる。
「森羅万象この世の真理を探究するためとでも申しましょうか」
ウリエンジェは持っていた本を開いたまま続ける。
「日神アーゼマ、海神リムレーン、知神サリャク。ここに集う相対する太陽、風、水の属性が……」
ウリエンジェが何か語り始めたがアリゼーの耳には入ってこない。
納得のいかないアルフィノとの勝負。苦労してようやく頂上にたどり着いたと思ったら何故か既にいたウリエンジェ。
紅蓮祭の覇者にもなれず身内のウリエンジェに負けたとあればアルフィノの鼻を明かすどころではない。
「もう、なんなのよ……」
嘆息するアリゼー。帰ったらせめてジンジャークッキーでも食べて気分を変えよう。
ウリエンジェを無視して足場を降り始めるアリゼー。
「ふはははははは」
またもや下から笑い声と叫び声が聞こえてきた。
「おい、狂戦士が復活してもの凄い勢いで上に向かっていったぞ!」
「頂上のお嬢さん!危ないぞ!離れろ!」
デシメートジャンプしているルガディン狂戦士、いや新蛮神がアリゼーを見つけ叫ぶ。
「おぉ愛しの我が君よ!先ほどのヴァルエアロ、痺れましたぞ!男の魂が充電され申した!さぁ、二人で原初を解放しましょうぞ!」
完全にヤバイ奴だ。アリゼーはかつてない戦慄を覚える。
「ふはははははははははははははははは」
「もう、なんなのよーーー!!!」
アリゼーの絶叫がコスタ・デル・ソルに響き渡った。
~完~
なんなんでしょうね。このオチ。
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